黄金の放課後と、青い「異物」

登場人物

ソム(嫌味な金持ちの子)
ゴラ(ガキ大将)
ナオミ(みんなのマドンナ)
ヨダン(泣き虫)
アノム(?)

「おい、ヨダン! いつまでそこに突っ立ってんだ。さっさとその新しいゲーム、俺様に貸せよ!」

空き地の真ん中で、ゴラの野太い声が響く。彼はこの界隈の絶対君主だ。借りると言えば聞こえはいいが、それは実質的な没収を意味している。

「そんな……ゴラ、これはまだ買ったばかりで……」

地面にへたり込んだヨダンが、眼鏡を震わせながら必死にゲーム機を抱え込む。彼はいつだって、不運と不器用を煮詰めたような少年だった。

その様子を、高級な革靴の先で小石を弾きながら眺めているのがソムだ。彼はあざとく目を細め、ゴラの肩に手を置く。

「ゴラ、強引すぎるよ。……まあ、僕の家にはこれの最新モデルがもう三台あるけどね。パパがニューヨークのコネで手に入れてくれたんだ。ヨダン、君にはそんなツテ、一生かかっても無理だろうけど」

ソムの嫌味な笑い声が、ヨダンの心をチクチクと刺す。

「ひどいよ、二人とも……」

そんな男子たちの喧騒を、少し離れた場所から冷ややかに見つめる少女がいた。ナオミだ。彼女はバイオリンのケースを抱え、完璧に整えられた前髪を指先で直す。

「……幼稚ね。ゴラは力任せ、ソムは親の七光り。ヨダン、あなたもいつまで泣いてるの? 自分の権利くらい、自分でもぎ取りなさいよ」

彼女の言葉は正論だが、情け容赦がない。ナオミはこのグループにおける「高嶺の花」であり、同時に最も冷徹な観測者でもあった。

「ううっ、ナオミちゃんまで……。誰か、誰か助けてよ……!」

ヨダンが空を仰ぎ、絶望の声を上げたその時だった。

「やれやれ。君の泣き言は、時空を超えて僕の耳を腐らせるよ」

どこからともなく現れた、丸っこい影。
それは真っ青な体と、感情の読み取れない大きな瞳を持っていた。首元には場違いな金色の鈴。

「……何だ、その奇妙な生き物は?」

ソムが後ずさりし、ゴラが拳を固める。
その青い影——アノムは、腹部のポケットから禍々しい光を放つ金属の塊を取り出した。

『因果逆転銃!』

「ヨダン。貸しは高くつくよ? ……さあ、『因果逆転銃』だ。これで君をいじめた連中の『立場』を、根こそぎ書き換えてやるといい」

アノムの口角が、三日月のように吊り上がる。
四人と一匹の、歪な日常が崩壊を始めた瞬間だった。

(続きは・・・)