類は友を呼ぶ
あるところに、一人の若者がいました。
彼の家はあまり裕福ではありませんでしたが、彼は「将来、絶対に成功してやる」という強い野心を抱いていました。
ある日、若者は町の人から「どこか遠くに『成功者の町』がある」という噂を耳にします。
そこへ行けば自分も成功できると信じた若者は、行き方を尋ね回りました。しかし、だれもはっきりとした道は知りません。
「遠くの山を越えた先にあるらしい」ということだけを頼りに、若者はすぐに支度を整え、未知の町を目指して旅立ちました。
何日も歩き続け、険しい山を越えた若者は、ようやく小さな町にたどり着きました。
若者が「ここは成功者の町ですか?」と尋ねると、町の人は首を振りました。
「いいえ、違いますよ。成功者の町はここからさらに山をいくつも越えた場所にあると言われています。
しかし、そこへ行ったきり戻ってきた者はだれもいません。本当にそんな町があるかどうかもわからないのです」
落胆した若者でしたが、最後の力を振り絞って再び歩き始めました。
何日も食べ物を口にできず、服はボロボロになり、命からがら山々を越えていくと、目の前に大きくて立派な町が現れました。
建物はどれも巨大で、行き交う人々はみな、仕立ての良い綺麗な服をまとっています。
若者は「こここそが成功者の町に違いない」と確信し、近くにいた住人に懇願しました。
「ここは成功者の町ですよね。私も成功したいのです。どうか、この町に入れてください」
しかし、裕福そうな住人は若者を一瞥し、「いやいや、あなたをこの町に入れるわけにはいきません」と冷たく断りました。
若者は必死に食い下がります。
「どうしてですか! 私は成功して、裕福になりたいのです。そのために、はるばる山をいくつも越えてここまでやってきたのです。お願いです、入れてください!」
すると住人はこう言いました。「ここは『成功した人』が暮らす町なのです。あなたの身なりを見てごらんなさい。
服はボロボロ、体はやせ細り、何日も食べていないのでしょう。そのような者をこの町に迎え入れることはできません」
「では、どうすれば私はこの町に住めるのですか?」若者が尋ねると、住人は静かに答えました。
「この町へ来る途中に、小さな町があったでしょう。あそこは『成功者になるための町』だったのです。
あの町で一生懸命に働き、富を築いた者だけが、この町に入る資格を得られるのですよ。もう一度あの町へ戻り、成功者になってから出直してきなさい。
成功者は、成功者を好むものなのですから」

